経営者だけではなく、全ての社員が遵守すべきものであり、パートタイマー職員やアルバイトも含まれます
企業統治としてのコンプライアンス
コンプライアンスとは、経営に関する意思決定の主体、仕組みを意味する企業統治の基本原理の1つとされています。
ビジネスの世界では、コンプライアンス=法令遵守という意味に訳されるのが一般的ですが、実際は法令遵守だけを意味する言葉ではありません。
社内における企業理念・倫理規定・社会貢献などのルールを守る事も含まれるのです。
また、コンプライアンスとは、企業が持つ社会的責任に対する考え方の大前提にもなっています。
結果的に、コンプライアンスは「企業がさまざまな活動を行ううえで関わる全てを守るための行為」であると整理することができます。
ですから、企業・団体・組織において、守るべき最低限のルールであり、一方で「最高の規範」ともいえるものです。
コンプライアンスを遵守すべき人とは
コンプライアンスは経営者のみが意識すれば良いルールではありません。
会社を含む、あらゆる組織は人の集合体で成り立っています。ですから、 働く全ての社員が、コンプライアンスに関して意識を向けていく必要があります。
たった一人の社員のコンプライアンス違反によって、企業全体の信用を失墜してしまうことは少なくありません。信用低下によって、最悪の場合には倒産という事態を招くこともありますし、現実にそのような事例は増加しています。特に最近は、インターネットの普及によって瞬時に情報が広がり、コンプライアンスへの対応が遅れたことを理由に数日間で倒産に至るというような、従来では考えることのできない事案も見受けられます。
このような状況をリスクと捉え、自分は関係無いと思うのではなく、社員一人一人が当事者であるという意識を持つ事が、大切です。
会社に対する信用や信頼と言うものは、積み上げるのは時間もコストもかかって非常に大変なものですが、壊すのは一瞬です。社長だから、社員だから、アルバイトだから・・・主体は関係なく、たった一人でも長年築き上げてきた信頼を壊すことは簡単にできてしまいます。
組織に属する構成員は、年齢や地位に関係なく、どのような事情であっても、コンプライアンスは遵守しなければならないということなのです。