コンプライアンス違反が起きてしまった場合には再発防止を早急に行う必要があります。人に関することは曖昧になりやすいので、特に注意が必要です。

企業の責任とコンプラ違反を起こした社員の責任

不祥事は、コンプライアンス違反を行う社員の存在によって生まれます。

しかし、実際にコンプライアンス違反を行った社員だけが悪いのでしょうか?

不祥事の裏には、それらを引き起こす原因を作った社員がいる事を忘れてはいけません。

一言で不祥事を引き起こす原因を作った社員と表現しても、そのタイプは2つに分かれます。

1つは、コンプライアンス違反を具体的に誘発させた人です。そしてもう1つは、コンプライアンス違反が起こる環境を作った人です。

不祥事が起こった際には、こうした存在もきちんと把握する事が、再発防止に重要な意味を持ちます。

「原因と結果」という考え方はご存知でしょう。不祥事と言う結果は、社員が問題を起こすことよって生じており、何らかの原因によって問題が引き起こされています。つまり、原因(→問題)→結果という構造になっているわけです。

不祥事と言う結果だけに着目して、当該不祥事を起こした社員を処分しても、その不祥事を誘発するに至った社員などがいた場合には、それらの誘発社員をも処分したり、何らかの対応を行わない限りは、原因を取り除いたとは言えません。

結果のみに着目した対応は、いわば対処療法としての性格しか持ち合わせていませんので、似たようなコンプライアンス違反を引き起こしてしまう可能性を秘めています。根本原因を見つけ、そこにメスを入れることが非常に大切です。

しっかりと社員を処分することが大切

実際にコンプライアンス違反を引き起こした社員が、処分を受けるのは当然です。

しかし、不祥事を引き起こす原因を作った社員に対する処分も、大きな意味を持ちます。

何故ならば、彼らが処分を受けなければ、再度似た問題が起こる可能性があるからです。二度と同じ過ちを繰り返さないような処分を行わなければ、意味がありません。

注意しなければならないのは、原因となるのは特定の社員とは限らず、非公式のグループであるようなケースです。そのような事実が判明した場合には、グループに属する社員を一斉に処分するなど、大胆な取り組みが求められます。

また、会社の仕組みや経営スタイルによって、原因を作り出す社員そのものを生み出してしまっているということもあります。この場合には、社員の中で犯人捜しをするのではなく、経営上内在する大きな問題として捉え、経営者を巻き込んで戦略的な見地からコンプライアンスに関する取り組みを全社的に行わない限り、体質の変化は望めず、一定期間ごとに似たような問題を繰り返し生じさせることになります。

企業にとって社員は貴重な資産です。しかし、会社として社員を守ろうとする意識が結果的に会社を倒産に追い込むこともあります。長期的な視野に立って、社員を守り会社を継続的に安定成長させるためには、時に厳正な対応を社員に対して行う必要があります。

 

コンプライアンス違反の原因

カテゴリ

Page top icon