コンプライアンス違反を意図的に誘発する社員の存在は危険です

コンプライアンス違反の原因を作ったのは誰か?

現実に不祥事が発生してしまった場合には、コンプライアンス違反を行った人物に対して処分を下すのは、企業の行動として当然のことと言えます。

しかし、その後の再発を予防するためには、「コンプライアンス違反を引き起こす原因を作った人物」に対する処分が重要な意味を持ちます。

これは、コンプライアンス違反が起こる場合には、違反者以外にも起因者(原因誘発者)が背景に存在することが多いということを根拠にしています。

例えば、若手社員が業務とは全く関係のないプライベートで使う写真を会社のカラーコピー機で印刷していたとします。若手社員がコンプライアンス違反をしているのは明らかであり、当人が処分を科されるのは当然でしょう。

しかし、もともとは先輩社員が同様の行為を行なっており、それを見た若手社員が「これは認められている」と誤解して行為に及んでいたような場合には、コンプライアンス違反の起因者として先輩社員も処分をしなければ、先輩社員は自らが今後もコンプライアンス違反を繰り返すばかりでなく、今後も違反者と同じような若手社員を生み出し続ける可能性があるわけです。

先輩社員のように、コンプライアンス違反に該当する行為を誘った・指示した人物は、起因者というよりも自らが違反者といっても過言ではありません。特定の社員を陥れることが目的なのか、それとも愉快犯としての行為なのかは分かりませんが、いずれにしても違反者というよりも、加害者と呼んでも良いぐらいのタイプです。

誰でも原因を生み出す側になる可能性がある

コンプライアンスに注意していたとしても、自分では気付かぬうちに「違反行為」をしていることも少なくありません。

軽微なコンプライアンス違反を含めれば、むしろ違反をしたことがない人は存在しないと言っても良いでしょう。しかし、通常の人であれば、会社の備品であるボールペンを一本家に持ち帰ってしまうことがあっても、会社のお金まで懐に入れるということはないはずです。

つまり、やはり人間としてのモラルや理性によって、社会的にギリギリで許されるレベルの線引きを自分の中に持っているわけです。

しかし、新人社員がその行為を見た時に、拡大解釈をしてしまう可能性は大いにあります。ですから、社会通念上許されるというレベルのコンプライアンス違反であっても、受けとる側や真似る側が拡大解釈してしまうことで、重大なコンプライアンス違反へと発展する可能性を秘めているわけです。

その意味で、組織内に属している人であれば、誰でもコンプライアンス違反を誘発する起因者となる可能性がありますので、注意が必要です。

 

コンプライアンス違反の原因

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