人に対するマネジメントはコンプライアンス違反対策で重要、人は間違いを犯してしまうものですがそれを見越した対策が必要です。

権力と欲求はコンプライアンス違反に繋がりやすい

コンプライアンス違反は、環境によっても生まれやすいことが分かっています。

コンプライアンス違反が起こりやすい環境を生み出した人に対しても、不祥事が発生した際には処分が必要でしょう。

では、 一体どのようなタイプの人が、こうした環境を生み出しやすいのでしょうか。

まず、自分自身の権力が絶対であるという考えを持ったタイプの人です。自分に絶対の自信があるという人も含まれます。

このタイプの人は、他の社員は自分自身に絶対に従うべき存在であるという前提を持っていますし、自分自身は常に正しい存在(考え方や行動を含めて)であると考えています。このような思想は、変化対応力に乏しく、柔軟性にも欠如していることから、コンプライアンスに反する意味を持っており、大変危険な存在です。

また、自分自身の欲求を制御できないタイプも、危険です。頑固で正義感の強い人物に多いタイプです。

例えば、自分自身の欲求として利益を追求したとしましょう。本人は利益追求のためには何らかの犠牲があっても問題ないと考えていますので、違反が発生してしまったとしても、利益を得ると言う当初目的と比較して違反そのものを許容してしまうわけです。

このタイプは、障害があるほどに燃える傾向にありますのでそれも厄介です。不倫で盛り上がっている男女をイメージしてみてください。社会通念上、良くないことであるというのはお互いに分かっているのですが、それが故にさまざまな障害がむしろお互いの愛を深める作用をしてしまうという、極めて矛盾した状況を生み出すことがあります。

本人が悪いことだと分かっているのに止められないわけですから、コンプライアンス違反をスリルと置き換えて楽しむようなことにもなりかねません。

このようなことは、外部の第三者からするとバカバカしいものですが、いざ、自分が当事者になってしまうと自分を客観的に見えなくなってしまい、突き進んでしまうという傾向にあります。つまり、誰でもこのような状況(不倫など)に陥ることはあるわけで、決して他人事ではないのです。

仮に社員全員が錯覚しているようなことがあれば・・・

また、この程度ならば大丈夫といった錯覚を起こしている方も危険です。

月末で忙しいから顧客データの入ったPCを自宅に持ち帰る、といったことは、コンプライアンス違反に該当すると考えられますが、「事故が起こる可能性はほとんどないし、みんながやっているから特に問題はないだろう。むしろ、会社の仕事を自宅で行うことで会社に貢献できるし・・・」、このようなものがいわゆる錯覚に該当します。

コンプライアンスが要求している意味や重要性を正しく理解していれば、錯覚が起こる事はありません。

ですから、コンプライアンスついて十分な理解をしていない、もしくは軽視している人が錯覚を起こしやすいと言えます。

このような傾向は、普段の組織内での「おこない」が社風や風土となって、各々の従業員の解釈を生み出すため、組織としての「会社の責任」も問われることになります。逆説的に考えれば、会社の行動や取り組み次第で、コンプライアンス違反の芽を摘むことは十分に可能であるということです。

 

コンプライアンス違反の原因

カテゴリ

Page top icon